■ 日本で開催されているピアノ発表会 〜すりかえられた主人公の巻〜


 あなたは今までにどのようなピアノ発表会に出場したことがあるでしょうか?体験談・失敗談・どんな曲を披露したのか・・・などなど、たくさんの思い出があることでしょう。


 【バイエルを辞めよう!ピアノコードのすすめ!】では、日本で開催されているピアノ発表会の真相にせまります!!


 ▼ 演奏会とはいったい誰のための舞台でしょうか?



 地元でピアノサマーコンサートが行われていたので見に行きました。


 プログラム表を渡され、中身を読むと・・・



 【第1部】

 
 01.女性(年長)→ハロウィン(ラーニングトゥプレイより)他


 02.女性(年中)→ゆかいなまきば、ピアノのおけいこ(ぴあのどりーむより)


 03.女性(年長)→ハロウィンのおばけ(バスティン)


 04.女性(年長)→スパニッシュ ダンサー(バスティン)


 05.女性(小1)→チャイナタウン、たのしい魔法使い(バスティン)


 06.女性(小2)→ジャングルたんけん、アラジンのランプ(田村信明)


 07.男性(小2)→おばけと悪魔(中村佐和子)


 08.女性(小4)→ウィンナーワルツ、手品師(ギロック)


 09.女性(小5)→Aマイナーのプレリュード、闘牛士(バスティン)


 10.男性(小5)→フランス組曲 題5番より≪ガヴォット≫(バッハ)、バッタの行進(プロコフィエフ)


 11.女性(小5)→フランス組曲 第4番より≪エア≫(バッハ)、バッタの行進(プロコフィエフ)


 12.女性(小5)→フランス組曲 第5番より≪ガヴォット≫(バッハ)、空気の精(ブルクミュラー)


 13.女性(小5)→フランス組曲 第5番より≪ガヴォット≫(バッハ)、バガテル(ベートーヴェン)


 14.女性(小6)→いいことありそう!(湯山 昭)


 15.女性(小6)→フランス組曲 第5番より≪ガヴォット≫(バッハ)、空気の精(ブルクミュラー)


 16.女性(高1)→≪フルート≫スイス民謡による変奏曲(バーム)


 17.女性(高2)→≪声楽≫Sento nel core(スカルラッティ)、Se nel den(ストラデッラ)


 18.女性(中1)→ワルツOp.64,No.2(ショパン)


 19.女性(中1)→ポロネーズOp.26,No.1(ショパン)


 20.女性(中1)→即興曲Op.90,No.2(シューベルト)


 21.男性(中2)→エチュードOp.10,No.12≪革命≫(ショパン)


 22.男性(中2)→エチュードOp.10,No.9(ショパン)、プレリュードOp.32,No.12(ラフマニノフ)



 登場の仕方は、コンサートホール上部にあるスピーカーから


 「続きましてはエントリーナンバー20番○○さん、作曲者はシューベルト、曲目は即興曲Op.90,NO.2です。それではどうぞ!」という音声が流れてきて、ピアノ演奏者が登場します。



 目の前にはスポットライトがまぶしくあたっているグランドピアノが1台。


 拍手の中、1礼をして弾きはじめ、曲が終わると、またおじぎをしてそのまま退出。









 「えっ!?もう終わりですか?」








 「MCは?」








 雰囲気が緊張するように作られています。僕は以前、北海道にある札幌Kitaraホール(写真参照)で演奏させてもらったことがありますが、


 
札幌kitaraホールの写真



 Kitara が どのような場所かよく知らずに、曲目はミスチルこと「Mr.Children」の曲をやりました。


 しかし、そのとき流れてきた音声は



 「続きましてはエントリーナンバー5番、お名前は○○くん、ピアノを始めて1年。




 これからどんな演奏をしてくれるのでしょうか?



 作曲者は






 桜井和寿さんで、




 曲は「花-Memento-mori-」です。それではどうぞ!」





 (・・・なんてカタイ説明アナウンスなんだ!弾く曲名ぐらい自分で言うよ!)と思いつつ、目の前のグランドピアノに向かい歩いていきました。


 このような登場の仕方をさせたら、絶対に緊張してしまいます。僕は 人前で弾くこと自体初めてだったのですが、指が震えてしまいました。


 
札幌Kitaraホールでの演奏



 しかも、他の出演者達はピアノベテラン勢が大半で皆様クラシック曲の中で僕だけポピュラーソングを弾くという、あまりの浮いた存在感に、控え室で倒れそうになりました。


 一般的に演奏者は マイクを使って話を まじえながら進行させていくものではないのでしょうか?クラシックの世界は、どうして順番通りに流れ作業みたいなプログラムを組むのでしょう・・・。



 【第2部】



 01.女性(高3)→≪琴≫炎(野村正峰)


 02.女性(高3)→≪トロンボーン≫TROMBONE CONCERTO(リムスキーコルサコフ)


 03.女性(高3)→≪声楽≫Caro mio ben(ジョルダーニ)、O del mio dolce ardor(グルック)


 04.女性(高2)→≪フルート≫ソナタ(エラールト)


 05.女性(高1)→エチュードOp.10,No.9(ショパン)


 06.女性(高1)→平均率1巻よりBWV866より≪フーガ≫(バッハ)、ソナタOp.31≪テンペスト≫第1楽章(ベートーヴェン)


 07.女性(高2)→束の間の幻影Op.22より?,?,??,??,??(プロコフィエフ)


 08.女性(高2)→ソナタOp.13≪悲愴≫第3楽章(ベートーヴェン)


 09.女性(高2)→小フーガハ短調(バッハ)


 10.女性(高3)→ソナタOp.2,No.1 第4楽章(ベートーヴェン)


 11.女性(高2)→ピアノのためにより≪プレリュード≫(ドビッシー)


 12.女性(高2)→平均率2巻よりBWV881より≪フーガ≫(バッハ)、ソナタOp.81≪告別≫第3楽章(ベートーヴェン)


 13.女性(高3)→平均率2巻よりBWV881より≪フーガ≫(バッハ)、ソナタOp.53≪ワルトシュタイン≫第1楽章(ベートーヴェン)


 14.女性(大1)→タランテラ(リスト)


 〜終演〜


 以上ですべてのプログラムですが、



 僕の知っている曲がほとんど







 ありません!!




 あまりの単調な曲の進行に




 途中で眠たくなってきました。



 そして出演者達の衣装が



 男性は黒の



 【タキシード姿】(蝶ネクタイ付き)



 女性は派手な



 【ドレス姿】


 
 年代が上がるにつれ、結婚式で着るような、ものすごい衣装を身につけて演奏していました。




 ちなみに僕が出たときは





 【ジーンズとTシャツ姿】でした。


 
札幌Kitaraホールその2





 主催は「どれみふぁそーらふぁみ・れ・ど〜♪」で有名なYAMAHA(ヤマハ)ではなく、表に書かれていませんでした。




 第1部の子どもたちならアンパンマンやドラえもんなどのアニメやゲームソング、第2部の中高生たちならポピュラーソングやジャズなどを聴いてみたかったというのが正直な感想です。



 お客さんのほとんどは





 演奏者の家族や友人だけで、わが子の出演に親は期待に胸をふくらませ、写真やビデオカメラに演奏模様を収めていました。



 果たして



 日本で開催されているピアノ発表会はこれでいいのでしょうか?



 これでは身内だけのコンサートになってしまいます。新しいお客さんを獲得して、演奏を聴いてもらいたいとは思わないのでしょうか?


 舞台の遠くから母親とピアノの先生が心配そうに、教えている生徒(こども)を見つめている現状。見に来たお客のことを考えているのでしょうか。


 クラシックの世界は、どうしてピアノを優等生みたいな扱いをするのでしょう。もっと激しく弾いてもかまわないと僕は思います。とても居心地が悪く肩身の狭いコンサート見学でした。



 今一度考えてみましょう。



 ピアノ発表会とは、

 いったい誰のために開催されているのでしょうか?







 「母親のため?」





 いいえ、違います。





 「ピアノの先生のため?」





 いいえ、違います。








 「こどもたちのため」です!!





 こどもたちこそ

 本当の主役なのです!!





 すりかえられてしまった主人公たち(こどもたち)は、大人たちの目線にうろたえて、評価を気にして、体裁ばかり気にする人間に育ち、いつの間にか居場所を失い、辞めていってしまいます。



 僕は、服装を見にきたのではなくて演奏を聞きに足を運んだのです。


 確かにファッションもひとつの個性の演出でしょう。しかし全員タキシード・ドレス姿で統一されている状況で本当に個性を出しているといえるのでしょうか?



 僕はこのように想います。




 かた苦しいイメージが定着している

 クラシック音楽に欠けているもの。



 それは、




 ユーモアセンスだと思います。




 男の子なら、思い切って



 
こどもピエロ


 ピエロ風の衣装。このような衣装は今まで見たことがありません。ユーモア抜群です。演奏の合間にMCではなく、手品を披露したら爆笑確定間違いありません!僕なら「また見に来たいな」と思います。






 女の子なら、もうすぐ10月ですので、季節がら



 
こどもカボチャ


 パンプキン風の衣装はどうでしょうか。モデルで着用している子の元気がないのが気がかりですが(笑)


 ハロウィンのおばけ(バスティン)を弾くのなら、衣装も統一すれば、印象に残ります。



 タキシードやドレス姿 以外になにが良いのか考えてみましたが、出た結論は「衣装選びのコツはありません。」ということでした。



 僕は思います。大切なのは、





 ありのままの姿です。





 それが、偽りのない本当のあなたなのです。




 大人たちの独断で大切なこどもたちが自分を見失わないように。



 ■ 日本で開催されているピアノ発表会 〜すりかえられた主人公の巻〜


 
-[完]-




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 ■ 【補足・追記】 2009/3/19

 現役ピアノ講師の方から、日本のピアノ発表会は「トコロテン式」といわれているそうです。

 画像を見てイメージしてみましょう!

 
ところてん方式(ピアノ発表会)


 押し出される糸こんにゃくが生徒、それを食べる先生。


 ▼ 現実問題はどうなっているでしょうか。


 ■ エレクトーン・ピアノコンサート(YAMAHA・ヤマハ・北海楽器主催)

 写っている画像の中に問題点がいくつかあります。もし改善するとしたらどこでしょうか。ヒントは、こどもたちとお客さんをよく見てみると、答えが出てきます。

 ▼ さあ、あなたも一緒に考えてみましょう! ※ 写真クリック拡大

 
北海楽器主催(YAMAHAエレクトーンコンサート)

 こどもたちの表情がかたく、お客さまとの距離が近いようで遠く、楽器の位置でお客さまに背中を向けて演奏しています。

 演奏場所は、デパートの中央という最高の環境を使っているのに、偶然、買いものなどで会場にたち合わせ、止まっている人は ほとんどいませんでした。

 座って待っているこどもたちは、いったい何を想っているでしょう。スーツを着た司会者の大人たちは同じ目線でもっと考えなくてはいけません。


 
-[終]-